今年の東京は真夏日(最高気温が30°C以上)が統計開始以来最多を記録しています。
朝夕少しずつ涼しい時間帯が増えてきましたが、まだまだ暑さの峠を越えない日々が続いています。
今回は東洋医学の観点から夏場の食養生についてご紹介します。
体の内側から滋養して、快適に過ごしていきましょう。
「旬の野菜は体にいい」と聞いたことはありませんか。
東洋医学的に見ても、夏野菜には暑い夏を健康的に過ごすための良い働きがたくさんあります
東洋医学では、食べ物それぞれに、温めたり冷ましたりする性質があると考えられています。夏野菜は「寒・涼」に当てはまるものが多く、体の熱を冷まし、汗によって失われたうるおいを補う働きがあります。
暑い時期にこそ食べたい、うれしい作用がいっぱいの夏野菜。
この時期こそ食べたいオススメ夏野菜とその働きをご紹介します。
■きゅうり
水分の多いきゅうりは、体をクールダウンさせて体内の「湿」を取り除き、うるおいを与えるといった作用があり、夏バテ防止に最適。便秘や肌トラブル改善にも有効です
■なす
なすには、血の巡りを改善し、体のかたまりを取って痛みを緩和する、血を冷まして深部から涼しくするといった作用があります
■トマト
トマトは、体をうるおして渇きを止める、暑さから体を解放するといった働きがあります。コロコロ便や口の渇きが続く時、食欲が低下した時にも食べたい夏野菜です
■冬瓜
あっさりした味わいで、食欲がないときに食べやすい食材。熱を冷ますほか、余分な水を排出する利尿作用があります。尿が出にくい時、暑さで口の渇きを感じたときに食べると効果的
■ゴーヤ
暑さでイライラしたときに、それを和らげてくれる働きがあります。「清熱明目」といって、体をクールダウンさせて目のトラブルを取り除く働きもあります
■しそ
薬味類も夏を元気に過ごすためにオススメです。漢方薬にも使われるしそは、香りで邪気を発散させる、気巡りを改善する、解毒効果で胃腸を元気にするなど、さまざまな作用があります
■みょうが
しそと並んで夏の薬味の定番。お腹を温めて気分を高める、痛みを取る、咳を止めるなどの働きがあります。食欲アップのために取り入れたい食材です
夏野菜の効果をさらに得るために、食べ方にもコツがあります
①なるべく素材そのものを生かした調理法で、シンプルに食べる
②胃腸が弱い人は、火を通して食べる
③発汗を促す激辛料理はNG。濃すぎない、やさしい味付けがベスト
例えば、なすとトマトの炒め物、卵と豆腐を入れたゴーヤチャンプルー、薬味たっぷりのそうめんなど、①②③をおさえて夏野菜をたくさん食べてみましょう。
②で加熱すると酵素やビタミンが減ってしまうデメリットは、ごま油を使ってみましょう。ごまは補益精血と言われ、元気を回復してくれる効果があります
夏になると体がだるい、疲れやすいという人こそ、体の内側から滋養してみて元気な体をキープしましょう。